今までずーーっと飲食に関わる仕事をやってきましたが、その大部分は高級店でのお仕事でした。
そのお店達はミシュランの星がついたレストランたちです。
「ミシュラン星付きレストラン」
この称号がつくだけで、周りからの評価は大いに上がると同時に、お客様にとっては一段階敷居が上のようなイメージを持たれ、なんだか怖気付いてしまう人がいそうです。
そして、そこで働く料理人及びサービスマン。
私達にとってはなんら普通のことではありますが、他のお仕事の方々からすると
「高級レストランで働くってどんな感じなんだろう?」という、未知の世界なんじゃないかなと思います。
そこで、今回は私自身が働いた中で、一番格式と価格が高かったレストランの1日がどのようなものだったかお話しします。
あくまで自分が在籍していた時のスケジュールになります。
また、当然ですが、全てのレストランに当てはまるわけではないので、その辺はご理解ください。
1日のタイムスケジュール
まずはざっくりと把握していただくため、1日のタイムスケジュールを出しておきましょう。
そのあとで、各時間の詳細をお話しします。
出勤からランチ営業、休憩まで
- 10:30 出勤
- 10:30〜 ランチ前準備(テーブルセッティング)
- 11:10〜 ランチ前ミーティング
- 11:30〜 ランチ前準備
- 12:00〜 ランチ営業開始
- 16:00 営業終了
- 16:00〜 営業終了、後片付け、ディナー準備
- 16:15〜 まかない、休憩
ディナーから帰宅まで
- 17:00〜 休憩明け、準備
- 17:10〜 ディナー前ミーティング
- 17:30〜 ディナー前準備
- 18:00〜 ディナー営業開始
- 23:00 営業終了
- 23:00〜 後片付け、夜まかない
- 00:00 お疲れ様でした!
出勤〜テーブルセッティング
10時半までに出勤した後は、各自準備に入ります。
私の場合はテーブルセッティングでした。
前日に掛けておいたテーブルクロスの上に
- ショープレート
- カトラリー
- テーブルナフキン
- 花瓶
- シャンパングラス
- 水グラス
これらをセットしていきます。
なかなか仕事は詰まっているのでチンタラしてはいられません。
ランチ前ミーティング
営業前にはミーティングがあります。
その日の予約を配席したプリントを配られ、1席ごとに情報を共有していきます。
情報というのはこういったモノです。
- 名前
- 来店時間
- お苦手、アレルギー、料理変更
- ロケーション
- お祝いのプレートがあればその内容
- お客様からの要望
- 予約を受けた電話の印象、人柄の予想。
- リピーターなら前回履歴の確認(好みのワインとか)
その営業のイメージを練る大事な作業になります。
ランチ前準備
ミーティングが終わったら各自最後の準備に入ります。
私の場合は、ここで組むセクションメンバーと担当テーブルについてお話しします。(フロアを二分して、それぞれ3人1組で担当する営業スタイル)
ランチ営業開始!
さぁランチの営業開始
程よい緊張感を持ちつつキビキビと、それでいてお客様には楽しんでもらえるようにフレンドリーに接客していきます。
営業中、私の業務はこのような感じ
- 料理出しと説明
- コースの進行指示
- 皿下げ
- 次のカトラリーをつける
- お会計をいただく、返す
- お見送り
休んでる暇なんてありませんよ。
ランチ終了〜休憩
ランチのお客様が全組お帰りになったら、後片付けとディナーのセットをします。
終わり次第、昼の賄いをいただきます。
朝食を食べない私にとっては、待ちに待ったその日初めての食事。
ランチ営業で歩き回っているのでお腹ペコペコです。
まかないを食べ終えたら、17時までしばしの休憩に入ります。
ほとんどのスタッフはこの短い時間で仮眠をとります。
レストランの長時間労働において、この10分、15分の仮眠は非常に大きなものです。
多少の時間であっても目を瞑り、体と頭を回復します。
休憩明け〜ディナー前ミーティング
17時のチャイムと共にみんながノロノロと目覚めます。
10分ほど準備を進めたのち、ディナー前の全体ミーティングが始まります。
ランチ前はサービスチームのみでしたが、ここでは全てのスタッフが集まります。
全体ミーティングでの内容は
- 新しいお皿があれば試食と説明
- 前日全体の売り上げと、当日のランチ売り上げ
- ディナー営業での常連様やVIPの確認。
- キッチンチームから連絡
となっています。
その後はランチと同様のミーティング、準備を行いディナー営業に入ります。
ディナー営業スタート
ディナー営業のスタートです。
接待、記念日、著名な方…。
ランチ以上に多様なシチュエーションを、それぞれこなしていきます。
頂戴する金額も大きく、ミスが許されない場面の連続。
集中力を切らさずに、5時間を走り抜けていきます。
ディナー営業終了、後片付けと夜まかない
ディナー営業が終了したら、後片付けと翌日のテーブルクロス掛けをこなします。
その後は夜のまかないをいただきます。
夜のまかないがあるレストランというのは珍しく、社内でも賛否両論という感じでした。
昼ほど手の込んだものではなく、蕎麦とか簡単なものをサッと食べるような感じです。
まかないを片付けたら、その日の仕事は終了。お疲れ様でした。
時間は0時を超えるか超えないかぐらいです。
終わりに
いかがでしょうか?
以上が私の過ごした、高級レストランでの1日になります。
こうして文字に起こしてみると、改めて長時間労働だなぁと感じます(それでも入社時より短くなりました)
体力的にもハードな日々です。
それでもこの仕事でのやりがいは充実していて、好きなことを仕事にしていた自分としては充実した日々でした。
正直、私としてはずっと座りっぱなしのデスクワークの方が辛いです…。笑
皆様にとって未知の世界。またお話できればと思います。
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